Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】
第8章 ロー
雪の降る町。
ローの故郷であるフレバンス。
目の前には、赤く血で染まる彼女が微笑んでいた。
「…ッ」
咄嗟に過去の出来事が蘇り、思わず手で目を覆う。
暗闇の先に映る彼女。
彼女はとても幸せそうに、眠りについていた。
ローが過去を、あの夢を自分の前世だと自覚し
その詳細を思い出したのは、つい最近の出来事。
ナツを始めて抱いた時、眠っていた記憶が一気に蘇ったのだ。
「逃がさねぇよ。もう二度と」
ローはナツの頬に手を添えると、そっと口づけを落とした。
狂気で染まる彼の瞳には、僅かに悲しげな色が混じっている。
夢の中の彼女が、悲しそうに微笑んでる気がした。
もう、あんな思いは二度としたくなかった。