Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】
第7章 分岐
「うわっ!なにこれ!?ペンギンなにやったの!!?」
「ナツの怨念大爆発ー」
驚きに目を見開いたナツは花火とペンギンの顔を交互に見ながらわたわたと慌てている。
ペンギンはその様子を満足気に見下ろしながら、花火見ようぜと後ろからナツの肩に肘をのせた。
「スッキリした?」
「すっきりっていうか……びっくりした」
花火はクルーズ船が打ち上げていたようで、5分程で終わってしまう小規模な物だった。
種が分かれば、あれは魔法でもマジックでもない出来事だったけど
本当にあの一瞬は
驚き過ぎて嫌な事も悩みも、全て頭の中から消えてしまっていた。
こりゃモテる訳だ。
「久々にゲーセン行きたい」
凄い事をしでかしたというのに
ペンギンは相変わらずのマイペースで。
そんなところも彼に恋い焦がれる乙女達には堪らないんだろうなと
改めて目の前のこの男の偉大さを思い知った。
帰りに寄ったゲームセンターで
クレーンゲームやコイン落とし、本気のエアホッケーを楽しんだ。
ゲームセンターなんて久しぶりで、ペンギンと一緒に本気ではしゃぎながら遊んだ時間は、あっという間に過ぎてしまった。
泊まってくなら着替えいるだろと気遣いまで手を抜かないペンギンに連れられ、パジャマやら下着やらを買いに行ったのだが
ペンギンがとんでもない下着を選ぼうとするのを止めるのが結構な重労働だった。
なんでこの人は恥ずかしげもなく堂々と下着屋さんに入れるんだろうと、これ良くね?と際どい下着を手に取るペンギンに呆れた視線を向ける。
「ナツ意外とちゃんと胸あったんだね」
「セクハラか」
結局普段使っているような無難な物にしたが
お店のお姉さんと勝負下着の話で盛り上がる彼のコミュニケーション能力には開いた口が塞がらなかった。
マンションの駐車場に着いたとき、お泊まりといえば重要な物を買い忘れていた事を思い出す。
「あ、歯ブラシ!」
「あるよ」
意外と生活用品とかストックしてるんだ。
ペンギンは、クレンジングとか化粧水はねぇやとスキンケア用品まで買ってくれるらしい。
なんでここまで女の生態に詳しいんだと思いつつ、出来すぎたチャラ男と共に近くのコンビニへと歩きで向かうことにした。