Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】
第7章 分岐
「何から何まで。凄いお金使わせちゃったよね」
「女がデートで金の事なんて気にしないの」
パジャマや下着、スキンケア用品を買って貰うのは流石にデートじゃねぇだろ。
これはやはり申し訳なさすぎる。
財布を取り返したらちゃんと返そう。
返金を胸に誓ったナツを、ペンギンは呆れた目で見下ろしていた。
「この前臨時収入あったから。マジで気にすんな」
「ペンギン病院以外でもどっかで働いてるの?」
まさか、とペンギンはけらけら笑った。
確かに。
意外と部下からの信頼が厚いらしいペンギンは、只でさえサボり魔だ。
本業がアレなのに副業なんてしそうには見えない。
大体あのtrafalgar医院の部長なんて言ったら、お金になんて困ってないだろう。
じゃあ臨時収入って……なんだ?
「この前仕手集団にボロ儲けさせて貰ったの。ナツ入ってきたじゃんその時」
「もしかして株やってんのか」
小遣い稼ぎと得意気に笑うペンギンは、そういえば前に資料室でそんな内容の電話をしていた気もする。
あまり株の世界に詳しくはないが、そんな事までやってんのかこいつは。
「それっていくらくらい儲かるの?」
「この前のはマジヤバかった!んー、……30分で高級車一台買えるくらい?」
俺ストップ高とか初めてだったと興奮気味に話すペンギンには悪いが、それがどんだけ凄い事かが分からない。
ちゃんと特定口座で源泉徴収されてるから安心してと言うペンギンは、とりあえず脱税はしてないらしい。
よく分からない株談義を半ば呆れながら聞きつつ歩いていると、あっという間にマンションに着いた。
それにしてもデカいマンションだ。
真下で見上げると、てっぺんが見えない程のタワーマンションを見上げながら
ナツはペンギンの少し後ろを歩いていた。