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Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】

第7章 分岐



「それにしても、本当になんなんだあの人は」

「院長?」


ペンギンが人の話を遮らず話を聞いてくれると分かったからだろうか。
それとも今晩の宿が確保できて安心したせいで、気が緩んだんだろうか。

私の口からは、院長への愚痴が止まらなかった。

何考えてるか分からないとか
私の人権はどうなってるんだとか
もし誰かを私に重ねているなら…いや、まぁ、うん


とにかく私の止まらない愚痴を、ペンギンはけらけら笑いながら聞いていた。


「ナツ、あれトラ座って言うの知ってる?」

「え?どれ?」


ペンギンが指差す先には、特に特徴のない星が点在していて
どれがそのトラ座なのかが分からない。

というよりも

トラ座なんて星座、生まれてこのかた聞いた事がない。


「院長への怨念込めてトラ座撃っちゃえよ」

「撃つって……大体どれよそれ。分かんない」


ペンギンは私の背後に回ると、私の腕を後ろから抱え込みこうやってと手で銃のポーズをして見せた。

何故そんな下らない真似をさせる。

呆れ返った顔の私に構わずに、ペンギンの腕は彼曰くトラ座だという方角に私の人差し指の先を合わせる。


「はい。怨念込めてー」


仕方ないなと思いつつも、どうせやらされるならありったけの不満を込めようと

これまでのローの暴挙を思い返した。


強盗に突き飛ばされて気を失った私を病院に運んでくれたロー。
大したことないだろうと仕事に戻ると、看護師の群れを引き連れ連れ戻しに来た。
助けてくれた礼をしてやると襲われかけて、何とか逃げ延びたものの
夜中にやってきた彼は、縛り上げて無理矢理私を抱いた。
荷物を自分の部屋に持ってこいと名指しで指名したり
話がしたいと言ってみたり
行くなと言いたげな視線で、私を見つめてきたり


あれ……?


「怨念込めすぎでしょ。ほら、行くぜ」


ペンギンは私の腕に手を添えたまま
バーンとふざけた掛け声と共に、ピストル型に構えた私の手に撃つ真似事をさせた。







ドンドン

ドンドンドンドーン





人差し指の先で本当に私が撃ったかのように

大輪の花火が、夜空を彩った。




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