Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】
第7章 分岐
「はい、こっから少し歩きますよー」
「マジでどこ連れてく気だ」
山道に車を停めると、ペンギンはナツの手を引き細い道を進む。
いーからいーからといつもの調子で笑うペンギンに呆れつつも、ナツは引かれるままに彼の後をついて行った。
「じゃーん。綺麗でしょ」
「……ペンギンって、実はロマンチスト?」
たどり着いたのは海に面した崖。
満天の星空と東京湾の奥に広がる夜景がキラキラと輝いていた。
コンクリートジャングルの都内にこんな場所があるなんて驚きだ。
そしてこんな穴場スポットを知っているペンギンはやはり、女を口説き慣れているんだろう。
二人は柵に手を付きつつ、都会の中の静かな絶景を見つめていた。
「俺どっから見てもロマンチストでメルヘンチストじゃん」
「どこが」
そんな下らない話をしながら眺めるその景色は
最近の目まぐるしい騒動で荒んだナツの心を、少し軽くしてくれたようだった。
「ねぇ、聞かないの?」
「何を?言ったじゃん。聞いて欲しい事あるなら聞くけどって」
これがこの男のやり口なんだろうか。
少し悔しいと思いつつも
ナツは最近心を悩ませる院長との出来事を、ポツリポツリと話し出した。
ペンギンはただ、その話を
適当な相槌を挟みながら聞いていた。