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Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】

第6章 迷い



確かにあれは、逃げようとした私も悪かった。

でもわざとスペアキーをチラつかせたり、それまでの彼の暴挙を考えれば
逃げようとするのが普通だろう。

寧ろあの展開を狙っていたとすら思えてくるくらいなのに
今更話がしたかったなんて言われてもまるで説得力がない。

一体何が彼をここまで追いつめているのか。

ナツは恐る恐るローの瞳を見つめた。

勘違いじゃなければ、本当に僅かに
愛情のようなものが見え隠れする気のする彼の瞳。

でもそれは本当に、私に向けられたものなのか?


「違かったらすいません。……院長は私を、誰かと間違…いや、重ねてませんか?」


なんとなく、そんな気がした。

出会って数日で、世間を騒がす程のイケメンが私なんかに執着するはずがない。
しかも執着具合もレベルMAXだ。

だからアレだ。
この人はきっと、今一緒に居ることが叶わない
過去に出会った大切な誰かと私を、重ねてるんだ。

まぁ身代わりとか、それはそれでなんとなく悲しいが。





……悲しい?
なんで?


ナツは一瞬過った考えに驚き、思わず目線を泳がせた。


「おまえは……」


そう言いかけて黙り込んでしまったロー。
彼はナツの言葉に、僅かに動揺しているようだった。

その瞳の焦点が、迷うように揺れている。

幼い頃から何度も見る夢。

そこに出てくる彼女。

そいつは……
その女は……




ローの頭の中が真っ白に染まった。

広い海を背に、微笑んでいる彼女。

その彼女は、まさか……






ローは頭を振った。


「お前が俺をどう思おうが構わない。なら、俺が何を思おうがお前にも関係ねぇだろ」


冷たい、声色だった。

ローは振りほどこうと力を込めるナツを無理矢理引き寄せ、その手に手錠をかけようとする。

意思を完全に無視したかのようなローの態度と
逆らいようのないこの状況に

ナツの瞳には涙が浮かんだ。
















「ロー。そこまでだ。それ以上は止めろ」


ナツの手に手錠がかけられようとした瞬間、開かれた院長室の扉。


「何の用だ。呼んだ覚えはねぇぞ」


ローは舌打ちと共に後ろを振り返り、現れた男を睨みつけた。


そこには、眉間にシワを寄せた、シュライヤが立っていた。

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