Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】
第1章 出会い
ラミアとの一件でますます辞めにくくなってしまったせいで、ナツは本格的にどうしようかと悩んでいた。
なんかここに入ってからずっと、辞めることしか考えていない気がするんだが。
「ちょっとあなた!なにボケっとしてるのよ!さっさとこの書類を運びなさい!」
「あーはい。すんません」
ナツが物思いに耽っていると、看護師からの文句が飛んでくる。
今日も今日とて受付業務の合間にパシられっぱなしだ。
そしてナツの気のない返事は、さらに彼女の怒りに油を注ぐ。
ちゃんと運ぶんだからいいじゃん。もう毎度の事だから慣れたけど。
「はぁー疲れた」
日もだいぶ暮れた頃、ナツは今日の業務を終え帰り支度をするためにロッカーへと向かった。
明らかに受付業務の範囲を超えている仕事量に、日に日に疲れは溜まっていく一方だ。
しかも頼まれるものの殆どが力仕事。
男もいるんだからそっちに頼めよと思わなくもない。
「……あー、今日はパターンBか」
ナツがロッカーを開けると、中にあった筈の自分の荷物は綺麗に姿を消していた。
軽くため息を吐いてロッカーを閉める。
ここ最近、ナツは嫌がらせを受けるようになっていた。最初は勘違いかと思っていたが、2~3回続けば流石に察する。
恐らく新人いびりに加え、特段へこむ訳でもないナツの態度が気に入らないのだろう。
ここまで古典的な方法を取られると、へこむどころか笑えてすらくる。
ヘビーな噂話は結構堪えるが、こういったことは結構平気らしい。
ダメージを受ける基準が自分でも分からなくなりつつあるが、これを理由に辞めようとは思わなかった。
嫌がらせのパターンは幾つかあるものの、パターンBは荷物の紛失をさす。
だいたいは外に捨てられている。
全くもってワンパターンだ。
ナツは非常に面倒だと思いつつも、早く帰る為にも荷物を探しに行くことにした。
めんどくさ。
外へと向かう道中、ため息は止まらなかった。