Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】
第5章 激情
ローは隣接する書庫で、さして急ぐ素振りも見せずに目当ての資料を探す。
脳裏に浮かぶのは、先ほどのナツの痴態。
初めてその身体に触れた時、その身体は己を受け入れまいと潤うことがなかった。
それが今やあの状態。
口や態度で拒絶を示しつつも、彼女の身体は己が与える刺激に焦がれ、それを求めている。
何とも言えない優越感が満たされていくのを感じた。
ペンギンがナツを気にかけているのは耳に入っていた情報だ。
いや寧ろあれは、好意を寄せていると言っていいだろう。
何かとナツに危害を加えようとする看護師を、裏でけん制しているペンギン。
あいつの性格からすれば、そんな面倒なことを好き好んで働くとは思えない。
決定打は、先日看護師達から直接ナツを救ったこと。
昼の休憩時間に二人並んで歩く姿を見かけて、その後噂好きで口の軽い看護師を捕まえて、その情報を聞き出した。
あのペンギンがそこまでしたということは、本気で彼女に好意を寄せているんだろう。
それを確信した時、ローの中に黒い感情が生まれた。
渡さねぇよ。あれは……おれが見つけたんだ。
ローは口元を歪ませると、目当ての資料を抜き取りナツの待つ部屋へと繋がる扉に手をかけた。
長い間満たされず飢えていた欲望。
ナツを始めて抱いた時、確信に近い感情が己の中に芽生えた。
彼女こそ、ローの乾いた心を満たしてくれる存在になりえるかもしれない。
彼女は今どうしているだろうか。
体内に塗り込んだものはかなり強力な媚薬だ。
善がり狂って正気を失っているだろうか。
彼女の身に起こっているだろう状況を想像しローは口元に歪んだ笑みを浮かべると、ドアノブを回しナツの待つ部屋へと足を踏み入れた。