第10章 有栖と黒のQ
朝食を食べていた時、
そういえば、とロキが顔をあげた。
「昼に黒のQが有栖のことを迎えに来るって言ってたよ」
この家にずっと置いてもらうわけにもいかず、今日か明日には黒の軍の兵舎に帰ってきちんとわけを話そうと思っていたのだが、突然の知らせに僕はパンを喉に詰まらせた。
ハールさんに渡されたコーヒーでなんとかそれを流し込み、若干身を乗り出す。
『いつ来てたの!?』
「昨日の夜、この家に来てたんだよ、ね、ハール」
「ああ」
『昨日の夜…。』
(昨日は疲れていて、すぐに深い眠りに落ちてしまったから気がつかなかったんだ…。
それにしても、今日の昼か…。シリウスさんにもフェンリルにも謝って、きちんと事情を話さなければ…。
……って、もしかして、もしかしてなんだが…)
『…もしかして、シリウスさんって 僕を探しに来ていたんですか…?』
「ああ、そうだ。」
その言葉を聞いた僕は、心に重りを追加されたような感じがした。
(そりゃそうだよな、あんな風に出ていったら、優しいシリウスさんは、いや、この世界の人達は探しに来てくれるに決まってる
…あああ、迷惑ばかり掛けて、何と謝れば良いんだ……)
逃れようのない罪悪感から、思わず深い息をついた。