第5章 有栖と入らずの森
『わ……。』
「なかなか良い家でしょ?さ、入って。」
ロキに促されるまま、家に足を踏み入れる。
そこにいたのは、予想通り…
「ハール!ただいまー!」
「…ああ、おかえり、ロキ…と」
(ハールさんだ…。やっぱり、みんな綺麗な顔してるんだな…)
「…その隣の子は…エル…じゃないな」
「そうなんだよ、さすがハール!すぐ分かるんだね
入らずの森で困ってたから、つい拾ってきちゃった!」
「つい、って…。…まあいい、特に何もないが、ゆっくりしていくといい」
『ありがとうございます…。』
(やっぱハールさんはこんな感じなんだ…。
…ここも、すごく見たかった会話ではあるんだけど…。何かもう、疲れてしまって、興奮できないのが悔しい…)
足の手当を終え、ロキが出してくれたホットココアを飲みながら、ここまでの慌ただしさを思い出して、ため息が出ると共に、胸がぎゅっと痛む。
(隠したり誤魔化したりせずにきちんと説明すれば、こんなことにはならなかっただろうな…。
でも、きっと、要点だけを説明したとしても、1ヶ月も彼らと過ごしたら、僕がただ巻き込まれただけの人間ではなく、クレイドルを、彼らを知っている人間だということはバレてしまう
…かと言って、ここはゲームの世界です、だなんて言えるわけがない…。
あー、シリウスさん達にも迷惑をかけてしまったし、
僕の身体じゃないのに、エルの身体を酷使して傷をつけてしまったし…)
『……僕はどうすればいいんだ…?』
そんな有栖の様子を横目に、2人がひっそりと話をしている。
「ねえ、ハール、あの子…。」
「ああ、間違いないだろう。彼女は…
能力持ちの人間だ」