第11章 球技大会
そんなこんなで始まった男女混合バレーの決勝戦。
徹はジャンプサーブはしないものの嫌な所に打ってくるし、向こうにも現役の女子バレー部がいて、徹のセットアップから強烈なスパイクを打ってくる。
それを私がなんとか上げると、はじめが大きくトスを上げてくれる。
『徹っ!ちゃんと拾ってね!』
叫びながら助走して、思いっきり踏み込んで、跳ぶ。
及「っ!」
ボールは、徹の腕を弾いて体育館の壁に当たった。
岩「ユキナイス!」
『はじめナイストス!』
ハイタッチを交わす私たちのチームを見る徹の目が本気になった。
及「ユキちゃん、次は取るから」
『悪いけど、私次サーブだから』
及「うぐっ…」
悔しそうな徹がなんだか面白くて、私はイタズラを思いついた。
『じゃあ徹、1本だけね』
そう言って私が打ったのは、ジャンプフローターサーブ。
上手く徹の目の前でストンと落ちて、サービスエース。
及「ユキちゃん!ジャンフロなんて狡いっ!」
岩「お前そんなの打てたのか…」
驚いてる2人から視線をずらすと、得点板の近くで固まってるバレー部員たちももれなく驚いていた。
『一応バレー部だしね』
そう曖昧に笑うけど、私は従兄弟も幼馴染もバレー部なんだもん。
自然と一緒にバレーやってたんだもん。
あれ?これ言ってなかったかな…?