第11章 球技大会
女「お願いっ!ユキちゃんしかいないのっ!」
『えぇー…』
クラスの女子に頼み込まれて、足を捻った子の代わりにテニスの準決勝に出ることになった。
『はじめとバレー見に行くつもりだったのにー…』
岩「及川んとこと花巻んとこだったか?」
『そ。バレー部はスパイクとジャンプサーブは禁止だけど、楽しそうでしょ?』
岩「確かにな」
『ま、テニスはサクッと勝ってくるかな』
岩「…は?」
どっちが勝ったか後で教えてねー。と言いながら、はじめに手を振ってテニスコートに入る。
6ー1で圧勝。決勝も6ー2で快勝。
代わった子には何故か泣いて喜ばれ、その後にあった野球でははじめが賢太郎からホームランを打って優勝した。
『あとはバレーだね』
岩「おう。決勝は及川んとことだよな?」
『たしかそうだった気がする』
及「あっ!ユキちゃーん!岩ちゃーん!」
『…何か聞こえる』
岩「空耳だろ」
及「バレーは及川さんのクラスが優勝だからねっ!」
岩「は?」
岩『「優勝するのは俺らだ!/うちらだし!」』
徹との言い合いは体育館についてからも続いた。
及「岩ちゃんもスパイク打てないし、良い勝負になると思うんだよねー」
岩「残念だな及川。うちにはユキがいる」
及「いくらユキちゃんがスポーツ万能でも、俺は男だし現役バレー部の主将だもんねっ!」