第9章 差し入れ
『東峰くん…って呼びにくいから、旭くんでもいい?』
東「あ、うん。もちろん。呼び捨てでもいいし…」
菅「旭ずりぃ!俺のことも孝支って呼んで」
澤「たしかに旭のくせにずるいな。俺も大地で」
ふふ。みんな面白いなぁ。
『じゃあ、旭と孝支と大地ね。私のことも名前でいいから。改めてよろしく』
みんなで笑い合っていると、そういえば。と大地が思い出したように尋ねる。
澤「ユキは音駒のヤツらと知り合いなのか?」
『うん。うちとも練習試合やったからね』
菅「勝ったの?」
『勝ったり負けたり。でもうちが勝ち越したかな』
東「うちは今んとこ全敗だもんなぁ」
黒「ユキー!」
話していると、突然鉄朗に呼ばれた。
『じゃあ私、音駒に挨拶して帰るね。頑張って』
お邪魔しましたー。と烏野の人たちと別れて音駒にも帰ることを伝えに行く。
黒「ユキ。美味かった。ありがとな」
「「「あざっしたー!!」」」
『よかった。あ、研磨、よかったらコレ帰りにでも食べて』
小さめの箱を研磨に渡すと、不思議そうに首を傾げる。
『結局みんなに差し入れだったからさ』
中身を見た研磨は嬉しそうに、ありがとう。なんて言うから、なんか可愛く思えて思わず頭を撫でちゃった。
『じゃあ私は帰ります。頑張ってね』
最後まで見てかねぇの?と言う鉄朗に、ごめんね。と謝ると体育館を出る。
私が今から向かうとこは…決まってるでしょ。