第9章 差し入れ
1階に降りると、潔子が駆け寄って来てくれた。
清「ユキ!どうしたの?」
『ちょっと友達に差し入れにね』
ちょっと行ってくる。と潔子に断って音駒のベンチに行く。
『お疲れ様ー』
「「「ユキ!?/ユキさん!?」」」
研「あ、ユキ。遅かったね」
黒「なんで研磨はそんなあっさりなのっ!?」
研「来ること知ってたし」
黒「なんでっ!?」
『約束したもん。ね?』
うん。と頷いた研磨に微笑んで、猫又監督に了承を得る。
『猫又監督、いきなりすみません。差し入れなんですけど、よかったらみなさんで食べてください』
猫「おお、すまんな」
猫又監督は私にニッコリ笑うと、烏野の方へ行って少し長めの休憩を取ってくれた。
鉄朗に紙皿とナイフ、研磨にアップルパイの箱を渡すと、烏野に渡し忘れた事に気づいてまた潔子の元に行く。
『潔子!差し入れあるんだけど、監督さんは?』
アップルパイの箱を潔子に渡して、挨拶させてもらう。
清「こっち。…武田先生、烏養コーチ、差し入れ頂きました」
武「ありがとう。君は確か…」
『青城の岡崎ユキです。先日はありがとうございました。コーチの方は初めましてですね』
烏「おう。ありがとな」
清「ユキ。澤村がお礼言いたいって」
潔子に呼ばれて烏野部員の所に行くと、あざーっす!!と全員で元気よくお礼を言われた。
やっぱり烏野は元気だなぁ。
…てか、元気すぎる。主に変人コンビと田中くん。
あとは、練習試合の時には居なかったリベロもかなり賑やか。
『澤村くんも…なんか大変そうだね』
3年生が集まってる所でそう言えば、澤村くんは苦笑い。
菅「大地も、ってどういう意味?」
『あー…うちは主将がアレだから、ね』
ははは。と徹を思い出して苦笑いすると、澤村くんと菅原くんも同じように苦笑いする。
ふと気づいた。
『あれ?練習試合の時には居なかったよね?』
菅「あー…ちょっと、な」
澤「うちのエースだ。一応な」
東「東峰旭です。よ、よろしく…」
『青城の岡崎ユキです。よろしくね』