第8章 練習試合〜vs音駒〜
控え選手などを入れ替えて何度か試合をした結果は、勝ったり負けたり。
いい練習試合になったと思う。
うちにとっても、向こうにとっても。
試合は終わり、うちは明日まで練習あるから片付けもそこそこに、選手同士でコミュニケーションを取っている。
?「ユキ」
私が1人でボトルを洗っていると、後ろから名前を呼ばれたので振り向く。
『あれ、研磨。どうしたの?』
研「青城のセッター、なんか怖いから逃げてきた」
『徹?秀?どっちも?』
研「3年の方。目が合ったら超笑顔だったんだけど。なにあれ怖い」
徹か…。想像つくな。
きっと目が合った途端に、にっこぉーって笑ったんだろうな。
それは怖いわ。私でも怖い。
『なんかごめんね』
研「ユキは悪くないよ」
ありがと。と微笑むと、研磨は私の横で水道を背にしゃがみこんで、スマホを出して操作を始めた。
ピコピコとゲームの音がする。
『研磨ゲーム好きなの?』
研「うん。でもクロにゲーム機は駄目って言われたから持ってきてない」
『そうなんだ。どんなのやるの?』
洗い終わったボトルをカゴにしまうと、体育館横の階段に2人で座って研磨のスマホゲームを見ながら話し出した。