第5章 怪我
今日は土曜日の1日練習日。
そして今は午前最後のミニゲーム中。
ドリンクも用意したから、私は監督の隣でパイプ椅子に座りながら記録を取ってる最中。
…ん?
…なんか…おかしい。
『監督、徹…たぶん怪我してます』
ガタッと椅子から立ち上がると、監督がミニゲームを中断させて徹を呼ぶ。
入「及川お前…怪我してるだろ」
及「そんな事ないですよ、俺は大丈…」
『大丈夫じゃないよね』
さり気なく、誰にもバレないように右足を庇ってるのは見ていてわかった。
及「なぁんだ、ユキちゃんにバレてたんだ」
岩ちゃんにもバレなかったのに。と悪びれずに言う徹にイラッとしながらも、病院について行ってくれ。と言う監督に頷く。
『はじめ!このバカ病院に連れてくから』
コートに向かって大声で言えば、はじめは鬼の形相でこちらにやって来て…ゴチンッと徹の頭を思いっきり殴る。
及「いったいっ!!岩ちゃん酷いっ!!」
うわぁ、痛そう。でも自業自得。
岩「自業自得だボゲェ!!そういう事はちゃんと言えや!!」
及「ご、ごめんなさい…」
はぁ。とため息を吐いて、はじめに向き直る。
『はじめ。ドリンクとタオルは準備してあるし、今までの記録ノートは椅子の上。後は大丈夫だと思うけど、何かあったら連絡して』
はじめが居れば部活は大丈夫でしょ。
ほら行くよ。と、必要な物を持って徹と病院に向かった。