第4章 呼び出し
ユキさんと一緒に保健室を出て、それぞれの教室に戻る。
席に座って、大きなため息を吐きながら机に突っ伏すと、誰かが前の席に座った。
金「おい国見、お前急に走り出すなよ!」
お前の全力疾走なんて初めて見たぞ。と心底驚いたような金田一の声に顔を上げる。
国「なんだ、金田一か」
少し一人にして欲しいのに…空気読めないな、コイツ。
あの女たちへの怒りと自分の後悔、ユキさんに名前で呼んでもらった嬉しさと、気持ちがぐちゃぐちゃになってる。
やっぱり黙ってた方がいいんだよな。
…あくまでユキさんにこれ以上被害がないなら、だけど。
金「おまっ、失礼なヤツだなっ!持ってきてやったのに!」
さっさと食うぞ。と机の上に昼飯用に買ったパンを広げる。
国「金田一もまだ食ってなかったの?」
金「当たり前だろ。あんま時間ねぇんだ、さっさと食うぞ」
てか、どこに行ったのか聞いてこないってことは…見てたのか?
見てたから聞かないのか、聞いちゃいけないと思ったのか…
前言撤回。やっぱ金田一はいいヤツだ。
〜side終〜