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【HQ】まいすくーるらいふ

第4章 呼び出し


〜国見side〜


昼休みに金田一と購買に行った帰り、微かに女の怒鳴り声みたいなのが聞こえる。

ふと窓の外を見ると、校舎の裏庭、普段は生徒があまり通らない場所に女が集団で誰かを囲ってる。

ああいうのがあるから、女ってめんどくさいんだよね。


金「あんなとこに集まって何してんだ?」

俺の視線を辿った金田一が不思議そうに聞いてくるけど、あんなの見ればわかるでしょ。


はぁ、とため息を吐いて教室に戻ろうとすると、

金「なぁ国見…あれってユキさんじゃね?」

は?と窓から見てる金田一に駆け寄って窓を開ける。


「アンタだってどうせ及川さんが目的なんでしょっ!」

「及川さん以外大した事ないじゃないっ!」

『みんな……るの。……のに、勝手な……で……』


ユキさんは冷静なのか、なんて言ってるか良く聞こえない。

金「アイツらって、マネージャー候補で来てたヤツらだよな?」

国「さあ?覚えてない」


『私のことはどう思われても構わないけど、部員のこと悪く言うなら黙ってないから』

そこだけははっきりと言い切ったユキさんが校舎に向かおうとする。


…やばい


国「っ!!金田一これ頼んだっ!」

金「?おいっ!国見っ!?」

金田一の言葉を無視して持ってた昼飯を押し付け、俺は全力で走り出した。



こんな全力疾走、いつぶりだろ。

階段を駆け下りて、校舎と体育館を繋ぐ渡り廊下から上履きのまま外に出る。


もっと…っ、もっと速く…っ

あの角を曲がれば裏庭だ。


角を曲がって見た光景に、一瞬で血の気が引いた。


カッターを振り上げてる女と、その女を睨みつけてるユキさん…の左手から…血?


くそっ、遅かった…か


国「…何やってんの?」


怒りと後悔が相まってか、思ったよりも冷たい声が出て、自分でもびっくりした。


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