第6章 【猿飛佐助】無知に基づいた論証
「はぁっ…信長様、脅かしすぎです」
「くく、彼奴らには良い薬になっただろう」
「…それは、そうだといいなって思いますけど」
自分にも知らせておいてくれたら良かったのに、と頬を膨らます彼女に。
信長は、また意地の悪い視線を向ける――
「して、此度の罰だが」
「へ!?ばつっ…!!?」
「当然であろう、我が城で無体を働いた事に変わりはない」
神妙な顔で信長の言葉を待つ彼女に、信長は告げる――
「家康にやるより先に、その菓子を寄越せ」
「は、はいっ…って、え?それだけ?」
彼女は暫しの間呆気に取られ――
そして満面の笑みを浮かべたのだった。