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【イケメン戦国】短編集✲*゚

第4章 【徳川家康】ちびっこシンドローム




そこからは我ながら、これ以上無いって程の速さと静かさで事が進んだ。
困った時の佐助君、とばかりに、貰っていた火打石で狼煙を上げ。
幸いにも安土に居た佐助君は風のように現れてくれたけど、小さい家康…っぽい子供を見て珍しく大興奮。


それを何とか諫め、寝顔を囲んで小声での会議が漸くスタートする。





「…つまり、突然突風が吹いて。目を開けた時には、隣にいた家康様が子供になっていた、と…?」
「うん。とにかく強い風で目も開けられなくて…でも隣で家康が起き上がったり、どこかに行くような事があれば流石に気付くだろうし…ほんとに入れ替わったとしか思えないの」

「極小規模の、観測不可能なワームホールが存在するという事だろうか…?理論上、タイムパラドックスが起きないように消えた人間はそのまま消えたままのはずなんだけど…此処に小さな家康様がいる、と言うことは」



何だか難しそうな話に、必死に聞こうとするけれど。
佐助君の頭の中では何かが目まぐるしく働いているらしく、説明してくれるつもりは無いらしい。


聞いていても理解出来なさそうだ、とひとまず諦めて、寝ている彼をそっと見つめる。
ふわふわとした色素の薄い髪、長いまつ毛。
寝ているのに、柔らかくお行儀よく閉じられた口。

もうどっからどう見ても、家康。
でも、ちっこい。
多分、五歳くらい…?

ちびやす。
…え、何それ、可愛すぎる…!!


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