第13章 【豊臣秀吉】一度限りの奇跡
「えっ、いいのですか…?千花さん」
「はい!勿論です、私ってばお洗濯が好きみたいで!是非とも!」
「あ、な、なら、お願い致します」
「承知致しましたっ、明朝からの分はお任せ下さい!」
城に戻った私は、その足ですぐに先輩女中に掛け合い。
洗濯のお役は代わってもらった。
あの方が毎朝通われる道場への道沿いに、物干し場があると気づいてしまったから。
(明日の朝は、早起きしなければ…!)
洗濯とはいえ、あの方に会えるなら化粧もしないと。
そう、爪の先まで気を抜いてなどいられないっ…!!
余程お洗濯が好きなのかしら、なんて先輩が首を傾げているのにも気付かず、私は一人闘志を燃やすのだった。