• テキストサイズ

【イケメン戦国】短編集✲*゚

第10章 【徳川家康】落ちると降りるは速度の違い






家康様は、その言葉に。
大層驚いた様に、大きく目を見開き、暫く私を見つめるとため息をついた。




「…知らないの?」



「だって私、聞いていません。

自分が好かれてるなんて、まさかそんな…
そんなに、自惚れられませーん」



笑いを堪える私とは対照的に、家康様はほんの少し、眉間のシワと…染まった頬の紅を濃くして。
そしえまた、溜息を…いや、深呼吸だろうか。


一息ついて、口を開いた。




「たくみの事を好きじゃなかったら、着いてきてほしいだなんて…言わないでしょ」



「わあ、そうなのですねー!嬉しいっ!

天にも昇るような心地ですっ」



「…そう。何とも白々しいね」






拗ねたような物言いすら、嬉しくて仕方なくなる。
好き、という言葉だけで、胸の空白がすっぽりと収まり。
イライラももやもやも、まるで消え失せたように晴れやかで。



一頻りにやけた後に、はっ、と本題を漸く思い返す。
緩む頬を引き締めたのを、家康様が怪訝そうに見ている。









「私もね…家康様の事、好きです、よ」






言ってしまった!
言わないつもり、だったのに!


――そんな、妙な感慨に打ち震えながら家康様の表情を窺う。






「そうなんだ」


「…ありゃ。嬉しくないのですか、両思い」






「そりゃ、嬉しくない訳じゃない、けど。

たくみの言い方が、およそ幸せそうじゃないからね」




/ 215ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp