第10章 【徳川家康】落ちると降りるは速度の違い
「やっぱり殿方はお優しくないとだよねぇ。
石田様みたいに、見た目も優しければ尚良し。
家康様に辛辣にされてるのが不憫なんだよねぇ…慰めて差し上げたいなぁ」
「…石田様。三成様?…確かに、たまーに辛辣」
「うーんぬのちゃん、殿方は気品が無いとー!
たまに薬を家康様に貰いにこられる、明智様!私達にもにっこり笑いかけて下さるから、もう大好きーっ」
「…明智様。十兵衛様?…にっこり…??」
「そうかな、ぬのちゃん、ちぃちゃん。
殿方には知的さが必要じゃない?
前に一度家康様とお話されている所をお見かけした、忍びの方…きらり、と光る眼鏡が素敵だったな」
「…忍び…佐助?…って姿見られてるしっ」
ガールズトークに癒されてげらげら笑うと、握ったはずの拳もゆるゆると解けていく。
「…しかし、改めて周りにイケメン大豊作ぅ」
「いけめん?とはなんでしょうか、たくみ様」
「えーと、いけてるメンズ…いやいや。
おっとこまえの、すてきな、かっちょいい殿方の事をいけめん、って言うんだよー」
「なるほどー!いけめんー!」
「家康様も、いけめん、ですねぇ」
「あはは、違いねーだらー!!」