第2章 【徳川家康】God BLESS you
「な、なんとかわいいっ!!!」
「千花に触ったら、その腕落とすよ」
「い、いぃ家康っ!?」
「いい、千花、此奴に近寄らないで。可愛らしい女子と美しい男子に目がない奴だから」
美しい、なんて自分の事を称するつもりは無いが、昔から付き纏われ美しいと囁かれ続けたのだ、声を聞くだけで身の毛がよ立ちそうになる。目を白黒させている千花の手を引き、そのまま広間へと向かう。
「千花様は、家康様と仲が宜しいようで羨ましい!」
「そ、そうですか…?そう見えてるなら嬉しいです」
「ははぁ、お二人は恋仲なのですね!」
「ひぇ!?あ、えーっと、そう、です…!」
手を引かれ早足で歩きながらも話し続ける千花と秀秋。二人共壁がない人間だから、既にすっかり仲良くなっている様に見える。
秀秋は男色で、女性には興味が無いと予々聞いている…近付けても、他の武将達より余程心配無いだろう、と思い当たり好きにさせておく。
この選択が間違っていたのだと、俺は数刻もした後、思い知らされる事となるのだけれど――