【イケメン戦国】私は彼が気に食わない【加筆修正中】
第2章 したたかさ と たおやかさ
「千花様、大丈夫ですか?
…突然の事で吃驚しましたね」
「だ、大丈夫っ…」
まるで何も無いかを確認するように、私の上から下まで心配そうに目を走らせて。
三成くんは漸く安心したのかいつも通り、綺麗な笑顔を浮かべ口を開いた。
「良かったです。
いざと言う時に、千花様をお守りする事が出来て」
表情に、言葉の意味に、どくり、と心臓が跳ねて。
速まった鼓動そのままに、吐き出すように言葉を返す。
「…こ、こんなの!
いざと言う時って程じゃないでしょ、
大した事じゃ無いしっ…!!」
助けて貰っておいて何とも可愛くない返事だ、と自分に呆れながら、考える。
まるで先程の私の言葉をなぞる様に、言った三成くんに他意はあるのだろうか。
いつも通り、天然から来る、他愛のない一言なのだろうか…
そこでやっと、寄り添ったままの事に気付き。
不自然なまでに、さっと身を離した。
「いいえ、大した事ですよ。
あの方にぶつかってしまっては、千花様が吹っ飛ばされてししまっていたでしょうから…」
「あー…だから…!
いや、もういいの!ありがとう!」