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【松】終身名誉班長とマフィア幹部と汚職警官から逃げたいんです

第4章 後日談&おまけ




 …………

 …………

 分かってはいた。分かってはいた。
 目が覚めれば汚くて臭い自分の仮眠室。
 せんべい布団の周りに散乱したティッシュと、寝る前に使ってたエロ本。
 そして……汚れた下着。
 自己嫌悪で死ねる。俺は思春期のガキか。
 それもこれも、しばらく来ないあいつが悪い。あいつのせいで変な夢を見た。

 けど……ああ、くそ!

 ああいう風に、いつも従順で可愛げがあれば、俺だってもっと……。

 イライラしながら起き上がり、下着を取り替えた。

 …………

 久しぶりにナノを呼び出し、部屋で手ひどく抱いた後、聞いてみた。

「なあ、今度、一緒に海に行かないか?」
「……は?」
 疲れきった顔で今にも寝ようとしていたナノは、鳩が豆鉄砲を食らったような顔だ。
「都合はどうにかつけるから、出かけられそうなら――」
 嫌がるか喜ぶか。反応を緊張しながら待つ。

「…………」

 額に額を当てられた。次に目の前に指を三本ほど出し、

「あの、これ、何本に見えますか?」

 冗談抜きで、こちらの正気を疑う顔だった。

「…………」

 無茶苦茶に抱いてやった。

 あえぎながら俺を求めてくる顔は、夢の中の偽ナノに似てて可愛かった。

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