【松】終身名誉班長とマフィア幹部と汚職警官から逃げたいんです
第4章 後日談&おまけ
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分かってはいた。分かってはいた。
目が覚めれば汚くて臭い自分の仮眠室。
せんべい布団の周りに散乱したティッシュと、寝る前に使ってたエロ本。
そして……汚れた下着。
自己嫌悪で死ねる。俺は思春期のガキか。
それもこれも、しばらく来ないあいつが悪い。あいつのせいで変な夢を見た。
けど……ああ、くそ!
ああいう風に、いつも従順で可愛げがあれば、俺だってもっと……。
イライラしながら起き上がり、下着を取り替えた。
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久しぶりにナノを呼び出し、部屋で手ひどく抱いた後、聞いてみた。
「なあ、今度、一緒に海に行かないか?」
「……は?」
疲れきった顔で今にも寝ようとしていたナノは、鳩が豆鉄砲を食らったような顔だ。
「都合はどうにかつけるから、出かけられそうなら――」
嫌がるか喜ぶか。反応を緊張しながら待つ。
「…………」
額に額を当てられた。次に目の前に指を三本ほど出し、
「あの、これ、何本に見えますか?」
冗談抜きで、こちらの正気を疑う顔だった。
「…………」
無茶苦茶に抱いてやった。
あえぎながら俺を求めてくる顔は、夢の中の偽ナノに似てて可愛かった。