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【戦国BASARA】薬師シリーズ【その他MIX】

第8章 酒は飲んでも呑まれるな(薬師視点・政宗・謙信・小十郎・かすが


「片倉様っ、大丈夫ですか?」

「我が人生に、一片の悔い、なし…」


それ、違う方の台詞です。

何故か満足そうにお眠りになられた片倉様のそばに膝をついて、異常がないか脈拍などを確認していると。


「そいつの為に泣くんじゃねぇ」

「いえ、泣いてはいませんけど」


酔っぱらい継続中な伊達様に、脈を調べていた手を取られ。

着物の上からでもわかる、その固く逞しい胸元へ引き寄せられた。


「縋るんなら俺の胸にしておけ、可愛がってやるぜ?honey」


低く、とろけそうに甘い声で囁かれ、ぞくぞくと何とも言えない感覚が背筋を駆け抜ける。

ちょ、耳テロやめてください。

絶対にこのお方、ご自分の魅力をわかってやってますよね。

無自覚天然、純情ワンコな幸村さんとは正反対です。


「伊達様…」

「俺の名は政宗だ、you see?」

「政宗様…」

「なんだ?」

「どうせ口説くなら、酔っていないときにお願いします」

「酒に溺れなきゃ言えねぇこともあるだろ」


いや、政宗様、普段からめちゃくちゃよく口が回るじゃありませんか。

滑らかに異国語まで常用しているじゃないですか。


「なんだ?その目は。不満があるなら、腕の中でいくらでも啼けばいい。それくらい、受け止めてやる」

「遠慮させていただきます」


かっこいい言葉のように聞こえますけど、それ、なにか違いますよね?

至近距離で見る政宗様のお顔は、とっても凛々しくて素敵なのですけれど、素直にときめくことができない。

もう本当に、誰かこの酔っぱらいとめてもらえませんかね。

このままでは、潰れでもしない限り絡まれっぱなしのような気がする。


「遠慮はするなと、さっきも言った筈だぜ」

「え……」


それって、まだ政宗様が酒に酔ってないときの……あれ?
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