第8章 酒は飲んでも呑まれるな(薬師視点・政宗・謙信・小十郎・かすが
「そういう酒を選んだからな。だが、それなりに強いから飲みすぎには注意しろよ?」
「ええ、わかりました」
そう頷いて杯を空けると、ひとまず食事を楽しむことにした。
ちまちま伊達様の手料理をつまみながら、いつきちゃんお手製のお米を使ったおにぎりを頬張る。
うん、おいしい!やっぱり新米は違いますねっ。
伊達様の味つけも美味です、最高。お野菜が新鮮なのも、おいしさの秘訣なんでしょうか?片倉様、ありがとうございます。
よく畑のお世話をされている片倉様を思いだし、向かい側で静かにお酒を飲んでいる姿に小さく手を合わせてみる。
伊達様とお酒を豪快に楽しんでいる謙信様の様子を確認してから、しばらくは気にしなくても大丈夫かな?と。
料理を堪能するのに夢中になることにした。
それから約、半刻後―――。
気づけば隣に、酔っぱらいが二人ほど。
「Hey!夢姫、ちゃんと楽しんでるか?なんだ、杯が空じゃねぇか…小十郎っ、新しい酒もってこい!」
「はっ、ただいま!」
「待ってくださいっ、まだこちらに残ってますから大丈夫です!それより片倉様は座っていてください、足元フラッフラじゃないですか」
「ははは、心配召されるな薬師どの。これくらい戦場で罠にかかった上に助けようとした政宗様から間違ってBASARA技をくらったことを思えば大したことはない」
「比べるものが悪すぎます、どんな状況ですか」
「おい、俺のことを放って小十郎の足にしがみつくなんざ、いい度胸してんな」
「これは片倉様を引き止めただけで、とくに意味はありません」
ですから、片倉様に殺気放つのやめてください。
こちらまで巻き添えくらって、肌に痛いんですよ。
私、武将じゃないんですから、不慣れなんですから今すぐやめていただきたいです。
って、ああ!お酒で弱っていた片倉様が許容量超えてブッ倒れました!