【進撃の巨人/リヴァイ生誕祭】②どんな世界でもあなたを想う
第3章 記憶
リヴァイのテントを出てすぐ「イレーネ」と声を掛けられ
反射的にその人の名前を呼んだ。
「エルヴィン・・・じゃなかった、スミス大佐。
おはようございます」
他人行儀な呼ばれ方をした金髪碧眼の大男は苦笑しながら、
私の傍に寄る。
「もう昔のようにエルヴィンで構わないし敬語も必要無いよ。
ここには『あの記憶』がある者しかいないからね」
そう言われたが、私は首を横に振ってそれを固辞した。
「いえ、まだリヴァイは昔の記憶を取り戻し切っていません。
それなのに、私が上官達と馴れ馴れしく話していたら
不信に思われます」
「あったま固いな~、イレーネは」
「まぁ、昔から真面目な所があったからな」
間髪容れずにそう言いながら姿を現したハンジとミケに、
私が「おはようございます。ザカリアス少佐、ゾエ大尉」と
ニッコリ返すと何故か楽しそうに笑われた。
「真面目だけど、うまーく嫌味っぽく返す所がリヴァイと
合ったのかもね」
ハンジの言葉に私は思わず
「今の彼には嫌われているっぽいですけどね」と零した。