第12章 12
『…はっくしゅんっ!…帰ろ』
気が付けば星が出る時間だった
詳しく言えばまだ6時だけど、冬の夜は陽が落ちるのが早い
今日のご飯はグラタンにしようかな
いつも8時過ぎに食べに来るからまだ時間はたっぷりある
なんとなく、ただなんとなく公園に寄って行こうと思った
公園に入り、星がよく見える場所を探す
ベンチを見つけ、座ろうと思った
けどそこには人がいた
その人は星を見ていた
その瞳はとても寂しそうな、退屈そうな複雑な瞳をしていて、それでいて真っ直ぐ一本の道だけを見ているようだった
『星、綺麗ですよね』
あたしは知らず知らずのうちに声をかけていた
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