第9章 9
『一見クールに見えるけど実は負けず嫌いだったり、回りのことちゃんと見えてるし、瞳孔開いてるけど実は優しい人だし』
「瞳孔開いてるはいらないんじゃない?」
『それに…あたしには無いものをいっぱい持ってる』
立石が髪を耳にかける
その仕草がたまらなく美しかった
「…んなこたねェよ。そりゃ俺だけにあるモンはあるだろうよ。けどお前にしかないモンもあるんじゃねェか?お前はそれを大事にしていきゃいいんじゃねェか?」
『…土方君ってモテるでしょ』
「どうだろうな」
生意気
そう言う立石の顔はどこかスッキリしていた気もする
「お前はそうやって笑ってる方が似合ってるよ」
この先お前が暗ェ顔してたら、何度だって俺が晴らしてやる
この言葉は胸にしまった
言わなくても伝わっているような気がしたから
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