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第9章 9



一通り話したのを確認し、俺は言葉を発する

「…一体その友達との間に何があったんだ?」

『……ごめん。それはまだ言いたくない』

立石は自分の指が腕にめり込むまでに握っていた

「…分かった。分かったから、もうやめろ」

俺がその手に触れると握る力を弱めた

「お前にとって言うべき時が来たら話してくれ。それまで俺は待ってるからな」

『土方君…ありがとうっ!』

立石があまりにも嬉しそうに笑うもんだから不覚にもドキドキしちまった

『まだみんなには秘密にしておいて』

どうやら俺だけに本当のことを話してくれたみたいだ

俺だけに

そのことが何故か嬉しかった

『土方君ってさ、不思議な人だよね』

ふいに立石がそんなことを言う


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