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第9章 9



「…わかんねぇよ。俺が分かるようにちゃんと話せ」

立石は俯いてしまった

そのため今は表情が読めない

『あたしね、今まで一人だけ親友がいたんだ。小さい頃からいつも一緒だった。けどそれがあるきっかけ簡単に壊れたの。ううん、最初から親友だなんて思ってたのはあたしだけだったのかもしれない』

立石の身体が震えているのが分かる

俺の足は自然と立石の元へ向かう

そして優しくぎゅっと抱き締めた

『土方君…ありがとう』

「いいから。全て吐き出しちまえ」

『…それからあたしには友達なんて出来なかった。その子とも一切関わりは途絶えた。あたしは荒れに荒れた。あたしも子供だったから非難は親に行くでしょ?その心労が原因でお母さんは死んじゃったんだ』

こいつは親の死も全て背負い込み

真っ暗な道を一人で歩いてきた

『お父さんはあたしのせいじゃないって言ってくれた。お母さんは病気で死んじゃったんだって。あたしの前ではいつも笑顔だったお父さんは、いつもあたしに愛情をくれた。けどお父さんはあたしに隠れていつも泣いていたんだ』


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