第30章 30
帰り道、特に何もなくだらりだらりと足を進める
朱音が待っててくれたことは驚いたが嬉しさの方が勝る
『…晋助ぇ』
「…あ?」
『あたし、この学校に転入して本当に良かった。みんなに逢えて、晋助に逢えて本当に良かった』
「…そーかよ」
いきなり何を言ってるんだ
『だからね、あたしは失いたくない』
「…」
足を止めれば、横を歩いていた 朱音も気付き、同じように足を止める
そして 朱音を抱き寄せる
「俺は 朱音を一人にはしねェ」
『…うん』
「何があったって俺達はお前の傍にいる。何があったって俺はお前を離さねェ。約束だ」
すると 朱音の腕が俺の背中に回される
『ありがとう、晋助』
何を思ってそんなこと言ったのか知らねェが、どんなことがあっても俺はお前を手放すつもりはねェよ
純粋にそう思っていた
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