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第30章 30



『スー…スー…』

俺の目の前には同じように眠っている 朱音の姿があった

ふと肩に重みを感じて見てみれば、普段 朱音が膝掛けとして使っているブランケットがあった

自然に緩む口元

俺は起こさないようにブランケットを朱音にかけ、 足音と気配を消し廊下へ向かった


再び教室に戻り、わざとガラガラと音を立てて扉を閉めた

『ん…あれ?晋助、起きたの?』

「ああ。間抜けな寝顔見させてもらったぜ。涎は拭いとけ」

『えっ!?嘘!?』

慌てて口元をごしごしと擦る姿が可愛いと素直に思うのは俺が朱音に惚れちまった証拠

「クククッ、ほらよ」

先程買いに言ったココアを朱音に渡す

『…ありがと』

寝起きということで頬が紅潮しているのは反則だとまで思った

多分俺の顔の方が赤い

見られまいと朱音の頭をわしわしと乱暴に撫でた

『わっ、晋助!零れるじゃん!』

「…飲んだら帰るぞ」




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