第29章 29
「?…神楽じゃねェか。どした?」
「 え、あの…葉こそどうしたネ!こんな所で!」
すると 葉は私じゃなく前を向いて言った
「ちょっと考え事をな」
そして暫く沈黙が支配する
「あ、あの!今日はなんの日か知ってるアルか!?」
沈黙に耐えきれず
と言うより 葉と二人きりという空間に耐えきれず言葉を発した
「?バレンタインだろ?」
すると何故か 葉が私に近付いてきた
「~!こ、これ!」
「?くれるのか?」
きっと私の顔は真っ赤だと思う
声を発すると震えるだろうと思い、コクコクッと頷くことしか出来ない
「サンキューな」
葉の大きな手が私の頭を不器用に撫でる
私は恥ずかしくて走ってその場を後にした
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