第26章 26
「…言っていい事と悪い事くらい分かるだろ」
溜息を吐き、乱暴に言葉をぶつけてくるトシ
「さすがに今のはないですぜィ。あれじゃ母親がいない朱音を侮辱したことに変わりありやせん」
総悟の言う通りだ
「葉。てめーはただ怖かっただけだろう。朱音が遠くに行ってしまったことに焦りを覚えたんだ」
高杉の言う通りだ
「朱音ちゃんはあなたの知っている通り、強く見せているだけで本当はそうでないことくらい分かっているでしょう」
妙に言われうつむくしかない
「葉…」
神楽の悲痛な声が耳に刺さる
「悪ィ…」
おれはその一言しか出てこなかった
悪かった、朱音…
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