第26章 26
本当は用事なんてない
さりげなく朱音の隣にいるトシにムカついた
俺がいなくても楽しいもんな、トシがいれば
『えー?なら待っとくよ!みんなで食べた方が美味しいじゃん!それにご飯どうするつもり?』
「…コンビニで買うよ。今までもそうしてたんだし」
もうほっといてくれ
『ダメだよ!成長期なんだから!用事が終わったら後からでも参加して、それでみんなで食べ…』
「余計なお世話なんだよ!」
『ッ!』
「いつもいつも!無理して俺といなくていいっつってんだよ!母親面してるつもりかよ!俺の母親はちゃんといるんだよ!っっ!」
…今俺は何て言った…?
顔を上げるとそこにはあの泣きそうで哀しそうな顔で笑っている朱音の姿があった
『そうだよね!葉のお母さんは会ったことあるもん!分かってるよ!分かって…ごめん!あ、でも気が向いたらご飯食べに来てよね!』
「待っ」
『じゃああたし先生に伝えに行くからさ、トシはみんなと合流したら校門で待ってて!』
朱音は走って行ってしまった
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