第23章 23
朱音side
晋助が病室から出ていく
この部屋にはあたしと松陽先生以外いない
「…あの子はとても優しい子なんです。人より少しだけ表現が下手なだけで」
松陽先生が目を閉じてゆっくり話し出す
『分かります。晋助は不器用なんですよね』
松陽先生の優しい眼がゆっくりと開く
「あの子から私の話を聞いたことは?」
あたしはふるふると首を横に振る
『ありません。今日初めて会わせたい人がいると言って連れてこられました』
松陽先生は一言"そうですか"と笑って言った
「晋助が私に紹介した人はあなたが初めてです。よほどあなたのことが気に入ったみたいですよ」
あたしを?
それはそれで嬉しくなる
『あの』
あたしは今まで思っていたことを聞く
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