第23章 23
扉を開けるとその人はベッドの上で座っていた
そしてゆっくりこちらを振り向く
「おや、珍しいですね。晋助が人を連れてくるなんて」
朱音は慌てて一礼をする
『立石 朱音と言います!晋助…くんとはクラスメイトなんです!』
「クスッ。そうかしこまらないでください。私は吉田松陽と言います。昔は晋助のそろばん塾の講師をしていました」
松陽先生も挨拶をする
俺はいつものように先生のベッド脇に椅子を置き、そこへ座る
「こら、晋助。朱音さんの分も準備しなさい。そうじゃないと座れないでしょう」
久しぶりに先生に怒られる
だけど心地よい
俺が安心出来る唯一の居場所だった
コイツが現れるまでは
→