第16章 16
が、喧嘩は起こらなかった
「…サドには関係ないアル」
思わずあたしと葉は顔を見合わせた
この二人が喧嘩を回避したところなんて見たことがない
何かあったの?
沖田くんに問いかけようと思ったけど、それはできなかった
その時の沖田くんの顔がすごく切なそうだったから
すぐさまチャイムが鳴り、あたしたちは座席につく
「…つまんねェ」
後ろの晋助が文句を言ってるけどそれどころじゃない
『…神楽と沖田くん、何かあったのかな…』
「…俺が知るか」
晋助じゃなくても他の誰に聞いてもきっと分からない
本人に聞くしか方法はない
あたしは放課後まで待つことにした
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