第16章 16
放課後
帰り支度をしていると神楽の方から話しかけてきた
「朱音、帰りどこか寄って行かないアルか?」
『えっ!うん、もちろん!』
ありがたい誘いだった
それからあたしたちは学校の近くにあるカフェへと入った
ここはもう常連のお店になっていて、いつものようにすんなりとメニューを決めた
やがてドリンクとケーキが届く
ここまではいつもの日常と変わらないはずなのに
何かが違う
それはあたしたちの口数の少なさ
いつもなら途切れることのないくらい会話が弾むのだが、今日は必要最低限の会話しかない
あたしは神楽が口を開いてくれるまで待つことにした
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