第4章 虚栄の真祖
「あははははっ!やっぱ手品よりこコッチの方が盛り上がるなァー!!」
「手品師より吸血鬼の方がレアだもんねェ〜?」
驚異的な身体能力を見せたマジシャンは街灯に飛び乗り、星を撒き散らしながらぶら下がる。
「き、吸血鬼!?」
「あーぁ。私としたことが……なんで気づかなかったんだ……?」
こんなこと呟いても気づかないなんて…真昼、相当焦ってるな?
「君も昨日《拾った》でしょォ〜?
君が拾ったのはどれかな〜??」
「吸血鬼の真祖は7人兄弟7種類〜。色欲、暴食、強欲、憤怒、嫉妬、傲慢??」
「どれも違〜ぁう!君が拾ったのはそれらの長男!」
「怠惰の吸血鬼。沈黙する終焉《スリーピーアッシュ》!!」
「な、なんなんだよ、お前……クロの仲間なのか!?」
「真昼、少し落ち着いたら?」
「いやなんで陽香はそんなに冷静なんだよ!?怪我してんだろ!?」
「だからこそだな!!」
「陽香ちゃん!大人しくしてた方がいいよ!血が……」
「ちょっとォ!!ボクの話を最後まで聞いてよォ〜!!」
あ、忘れてた。……なんて……
「逆!僕らは黒猫ちゃん達のこと大嫌い。だから匿うと串刺しだぞ〜?」
「さあさあ喝采を!!出ておいでェ!スリーピーアッシュ!!吸血鬼らしく派手に!」
「戦争しようよ!…椿もそれを望んでる!!!」