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【HQ】陽のあたる場所へ

第9章 期末テスト


土曜日、部活終わりに仁花の家で翔陽と飛雄と勉強会をした。
「土曜なのにアリガトな!これでテストばっちりだよ!たぶん!」
「あざす」
「ごめんね、私までお邪魔しちゃって」
「ううん、私も優希ちゃんと勉強できて良かったよ。分からない所教えてもらえたし」
と言う仁花に対して、
「俺優希の言ってる事意味分かんなかった…」
と凹む翔陽。
だって私人に教えるの苦手なんだもん。仁花はもともと勉強できるから分かっただけだろうし。

「なぁ、この辺て白鳥沢の近くだよな」
「白鳥沢ってウシワカの?」
ふと思ったのか、飛雄が言った言葉に反応した翔陽。
「俺に何か用か」
そして背後から聞こえた知らない声。
振り向くと、まさかの牛島若利。ご本人登場。

「用が無いなら行く」
「俺達烏野から来ました。白鳥沢の偵察させてもらえませんか」
走り出そうとした牛島さんに飛雄が話しかける。
え、偵察ってこっそりするものだよね?
「烏野…おかしな速攻を使うチームだな。好きにしろ、見られる事で俺達が弱くなる事はない」
烏野のこと知ってるんだ。
「これから学校へ戻る。見たいならついて来ればいい。ついて来られるなら」
なーんか嫌な感じ。でも2人はついて行く気満々だな。

「行くだろ。春高で倒す相手だ」
「おう。優希も行くか?」
翔陽に聞かれるけど、
「私走れないし行かないよ。2人とも渡した予想問題ちゃんとやっといてね」
じゃあね。と言って帰ろうとすると、
「優希…もしかしてお前、岡崎優希か?」
急に聞いてきた牛島さんに、そうですけど。と返すと、いきなり持ち上げられて肩に担がれた。

何が起こったか分からないうちに走り出した後ろで、
「優希ちゃんっ!優希ちゃんが拉致されたーっ!」
と叫ぶ仁花に顔を上げて手をヒラヒラと振るしかできなかった。


「おい!優希を返せっ」
と言いながら後ろを走る2人を見るけど、早いし走ってる振動があるし振動で肩の骨がお腹に食い込んで苦しいし、正直酔う。てか、それよりも
「私、スカート!パンツ、見えるっ」
そう言えば、腰に回っていた手が降りてきてスカートを抑えてくれた。
有難いけど、そうじゃない。降ろしてほしい。

仕方なく、落ちないように牛島さんのジャージを掴んでお腹にくる振動と酔いに耐えた。
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