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【ハイキュー!!】Assorted Box 短編集

第5章 愚問 (影山 飛雄)


「だからさ、及川さんは最初から飛雄はやめとけって言ってあげてたよね?この際、スッパリ別れて及川さんの彼女になっちゃうのはどう?俺なら絶対に和奏の誕生日を忘れて怒らせたりしないよ。」

…及川さんは、中学の頃からこの調子だ。
私の欲しいアドバイスはそんなものじゃないとわかっているくせに。

「及川さんだけは、絶対に嫌です。」

「ちょ…及川さんだけはとか、絶対にとか…嫌ですとか…岩ちゃんでもそんな酷い事言わないよ!?」

及川さんが嫌なわけじゃない。
いや、うっとおしいから嫌なんだけど。
でも、そうじゃなくて…飛雄じゃないとダメなんだ。

「じゃあ、岩泉さんに及川さんに迫られたって言います。」

「なっ、それはダメ!絶対ダメ!!俺、殴られるじゃん!でもさ…、1日過ぎちゃったけど、誕生日祝うくらいは許されるでしょ?練習終わったらケーキご馳走してあげるよ。」

及川さんはうっとおしいけど、こういうところは憎めないし、素直にスマートだと思う。

「…ご馳走になります。」

別に誰にも祝われなかったわけじゃない。
家族や友達から、たくさんお祝いの言葉を貰った。

もっと欲しいと思ってしまう私は欲張りなんだろうか。

「素直でよろしい。」

及川さんがすれ違いざまに頭をぐしゃっと撫でて部室から出て行った。

これが…飛雄だったら言う事ないのに…。

私もそろそろ行かないと…ってか、及川さんより重役出勤なんて怒られるに決まってる!

部室の奥からドリンクボトルの入ったケースを抱えて、及川さんの後を追いかける。

飛雄も今頃部活中だろうな。
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