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愛の唄 【Fate/GrandOrder 天草四郎】

第5章 愛の唄 Ⅳ



 どうして、こんなことになっているのか。私は、サンタガールをすることになり、そのために遊園地へ来たはずだし、実際に遊園地にいる。しかし、私が今やっていることは、捜索活動だ。

「茂蔵さん、どこへ行ったの……!?」
 茂蔵おじいちゃんと天草四郎、そして私は、予定よりも早く遊園地へと着いた。そこまでは良かった。しかし、到着して早々に、おじいちゃんが、園内を少しだけでも散策したいと言い出したのだ。元々、おじいちゃんは本番が始まらなければ基本的に仕事が無い予定だった。時間は充分にあるからという理由で、天草も少しならばとOKを出した。しかし、その判断が甘かったのだ。約束の時間になってもおじいちゃんは戻らず、園内放送をかけても、一向に戻ってこない。これはマズイということになり、今現在、彼と私で手分けしておじいちゃんを捜索している。

 端末の着信音が鳴る。画面には、登録したばかりの番号と、『四郎』の文字。おじいちゃんを見つけたら、お互い直ぐに連絡を取り合わなければならないからと、連絡先を交換し合ったのだ。私は、急いで通話に出る。
「もしもし。茂蔵おじいちゃん、見つかった?」
『いいえ。まだ見つかりません。お義父さんの端末へ電話をかけてもいるのですが、出てくれません。これは困りましたね……。』
 彼の声には、若干の焦りが含まれていた。
「う~ん……。まだ人も少ないし、すぐ見つかると思ったんだけど……。」
『此方も同じです。ですが、イベント開始までまだ時間があります。私は、もう少しだけ探してみようと思います。貴女は、着替えもありますし、そろそろ戻ってきてくださいね。』
「了解。じゃあ、私はそろそろ戻っ……、あ。」
 ジェットコースター前のベンチで、横になっているおじいちゃんがいた。間違いない。茂蔵さんだ。
『どうしました?』
「見つけた。茂蔵おじいちゃん……。」
『えっ、どこですか?』
 場所を伝えると、彼はすぐにやって来た。

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