第1章 ハイキュー!!音駒
「だって、姉ちゃんと好みカブッてるから絶対気に入ると思ったし、やっぱり気に入ってるし。見たら筑流さんも姉ちゃんのこと好きになるかもしれねーし、取られんの嫌だったんだよ」
姉弟で好みカブッてるっておかしくね?性別違うよな。
いやまぁ、べつに同性愛に嫌悪感とかはもってねーけど……え、そういうことなの?
恋愛オールラウンダー系?
「そこまで真剣だったなんて……浮かれてはしゃいじゃってごめんね、レーヴォチカ。わたし、二人のこと応援するね!」
オイ待て、切りかえ早ぇな。
健気に身を引く姉みたいな空気だすな。
二人を応援ってなんだ、バレー部のことじゃねーよな、なんでオレがリエーフと共に茨の道を歩む方向に話が進んでんだ。
「ありがとう!姉ちゃん大好き!」
「わたしも大好きよvレーヴォチカv」
「はいはい麗しい姉弟愛〜…話もまとまったことだし、オレはこれで」
さり気なく椅子から立ち上がろうとしたのに、肩をリエーフに押さえられ、右腕をリエーフ姉につかまれて動けなかった。
ちくしょう、マジでもう帰りたいんだけどライン見てねーのかアイツら!
クロと夜久はすぐに気づかないとしても、研磨くんならスマホ弄ってるはずだから大丈夫だと思ったのにっ……まさか既読スルーとか?…放置?そうなの研磨くん!?
急いで確認しようとしたら、見る間もなくスマホをリエーフに奪われた。
「おいコラ巨神兵、今すぐソレ返しやがれ。明日の部活で死にてぇのか、あ゛?」
「そ、そんな脅してもダメですよ!筑流さん、本当はすげー優しいの知ってるんですから!」
「やだ、そうなの?素直じゃないところも魅力的ね!」
暖簾に腕押し。糠に釘。
話がまったく通じねえ、どうすればいいんだ……助けて研磨くん、攻略の糸口が見つからない。
あー…なんか疲れた、糖分摂取したい。