第1章 ハイキュー!!音駒
「なんだ、そうだったんですかー。筑流さんが将来兄ちゃんになったら、姉ちゃんとどっちに嫉妬すればいいのかわかんねえって変に悩んだじゃないスか」
「やーね、レーヴォチカったら気が早いんだから。大丈夫よ、のけ者になんてしないから。結婚してもみんなで仲良く暮らそうね」
「とりあえずリエーフの姉ちゃん、黙ろうか」
うるさい、と手のひらで口を塞げば白い頬がポッと赤く染まった。
なにその反応怖ぇ!
すぐさまバッと手を離す。
「筑流さんの部屋は俺の隣な!なんかあったらすぐ行けるし、夜通し2人でバレーの話とか徹ゲーしやすいし!」
「それはダメよ、レーヴォチカ。夫婦の愛の営みを邪魔するなんて……はっ!もしかしてツクルくんにLOVEなの?かわいい女の子が好きでモテるのに彼女を作らないのはそういうワケだったの?」
「……」
もうツッコミが追いつかねー。
誰か助けろ。
無言でスマホを取り出すと、慣れない左手でグループラインに文字を打つ。
ぺそ…ぺそ…ぺそ……
ツクル
『へるぷ本屋となりカフェ』
「ちょっと筑流さん、よそ見しないで聞いてください。俺たちの未来について話してるんですから」
「そうよツクルくん、わたしたち家族の在り方を考えてる重要な話なのよ」
「うん、待てよ。いつの間に灰羽家の未来設計にオレが組み込まれたんだ?」
人がちょーっと助けを求めている間に、いったいどこまで話が未来に飛んでるんだ。
「名前呼びした頃に決めました!」
どや顔すんな、大型にゃんこ。
「さすがレーヴォチカvもっと早く教えてくれたらすぐ協力したのに」
さすがじゃねえよ。
なにをどう協力すんのか気になるけど、聞いたら後悔する予感しかしないからやっぱ聞かない。