第6章 小話.
「…どうした、猫」
「こんにちは、ミケ君。お散歩?」
んみゃ!
俺はこれからカリンの膝で昼寝するんだ!
大事なことだからな、二回言ったぞ。
「うん?伸びなんてしてどうしたの?抱っこする?」
んにょぁ~
抱っこもいいな!
よし、それで寝よう、そうしよう。
「猫、オマエはこっちだ」
ぶみょあ!
あ、こら、また首を掴んだな!
…いつか絶対、仕返ししてやるぞ!
「…これでいい」
???
なんだコイツ?初めて見るぞ。
いや、犬、ってやつだよな?それは知ってる。
デカイなぁ…
「"エルヴィン"だ、よろしくな」
んなっ!
お、"だんちょう"と同じなんだな、コイツ。
そうだな、同じ色だもんな。
ふんふん…よし、覚えたぞ!
「エル君の背中に乗って…ふふ、仲良しね」
んにょぁ?
仲良し?いや、初対面で…うぉあ、動くな!
ちょ、落ちる落ちる落ちる!
なんなんだよ、いきなり過ぎるぞ。
「よし、これで三段だよ!」
んにゃあ!
みょあ!?
ハンジか!
って、なんで俺の背中に乗せるんだよ!
ちょ、本当に危ない、危ないって!
ふー…
これな、俺じゃなかったら崩れてたぞ。
流石だな俺のバランス感覚!
「チッ、仕方ねえ…付き合ってやれ」
チッ
おい、なんで"へいちょう"と同じに舌打ちしてるんだよ…オマエ猫だよな?
って、そうじゃない、乗るなって!おい!
ちょっ、これ、本当にやばいぞ…
俺の愛らしい足がぷるぷるしてるぞ。
「可愛い…」
んな!?
カリンが喜んでる!のか?
でもな、これ…
エルヴィンの上に俺が立って、俺の上にハンジが立って、ハンジの上にリヴァイが立って。
正直、キツい。
うん、キツい。
俺だけが、キツい!!!
だってそうだろ!?
エルヴィンはデカイから俺達の重さなんて感じてないし!
リヴァイはチビだからハンジは重くないし!
俺だけ…
俺だけが!二人分!がっっっつりきてるんだよ!
「…フ。四段重ね」
う、みょぉ…
おい、オマエ。
これ見てちょっと笑ってるだろ。
口元がぷるぷるしてるぞ、俺は見逃さないからな。
くそぅ…
首掴んだ分!
笑った分!
んんなぁあああああーーー!!!!!
いつか覚えてろよーーーーー!!!