第2章 ミケとミケと気になるあの人
「ただいま、皆」
団長室から戻ったカリンは、同僚達に帰室を告げる。
そんな彼女の腕の中、もぞもぞと動く緑の塊。
「お帰り。ん?それ何?」
どうやら緑の物体はマントらしい。
大事に抱えるカリンに、ナナバは何度か瞬きを繰り返す。
「うん、実はね…」
エルヴィンから猫を託されたこと。
また、風呂に入れてほしいと頼まれたことを伝えそっとマントを捲る。
「なるほどね。ミケか~。う~ん、ミケ…ミケ…」
何やら考え込むナナバ。
「ミケミケ呼ぶんじゃ訳が分かんねぇな。あれだ、これならどうだ?」
ゲルガーは手元の書類にざっと何かを書き込んだ。
「ゲルガー?それ、書いてしまって大丈夫?」
カリンが尋ねると、あぁ、問題ねーよ。と即答。
『いやそれ、ちょっと大事なやつ。しかも提出期限明日だし』すかさず指摘するナナバと、
『うえぇ!?マジか……どうすりゃいいんだコレ』と深く項垂れるゲルガー。
そんな二人らしい?やりとりに頬が緩みつつ、書き込まれたものを覗き込む。